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地震見舞い

 投稿者:URANCHAN  投稿日:2018年 6月18日(月)20時23分59秒
返信・引用
  カーヤン無事でなによりです。
気になっていたのですが
ご自身からのアップ情報なによりです。

その他大阪在住のみなさま、被害は無かったのでしょうか?

和歌山は震度3で被害はありませんでした。

梅雨時です、紫陽花の花をアップします。
 
 

地震詳細

 投稿者:カーヤン  投稿日:2018年 6月18日(月)19時40分13秒
返信・引用
  我が家は、有馬高槻構造線という断層から数キロメートル北部に位置したせいで
揺れは大きかったったものの、ライフラインには全く影響がありませんでした。
TVで被害が報道されている地域は上記断層に近い上に、淀川に近く地盤が弱い地域です。
今日、被害の状況を知らずに、車の6ケ月点検のため出かけたのですが、高速道路が通行止め
のせいで、高槻の幹線道路171号に入った途端、強烈な渋滞に巻き込まれ、通常15分のと
ころ、1時間以上かかりました。又、同国道沿いに多くの人達が列をなして歩いていました。
これはJRが高槻周辺で運行を停止した影響だと帰宅してからTVの報道で知りました。
家を建てる時には、断層からできるだけ遠いこと、大きな河から離れた位置を選ぶべきだと
改めて痛感しました。同窓生の方々から安否を確認する連絡頂きありがとうございました。


 

地震

 投稿者:カーヤン  投稿日:2018年 6月18日(月)14時47分47秒
返信・引用
  強烈な揺れでビックリしましたが、我が家は断層から離れているせいか、家の内外に全く被害が
ありませんでした。又、電気、水道、ガス等ライフラインにも影響がなく普段通りの生活をして
おります。
 

読書あれこれ その260

 投稿者:蘇る青春  投稿日:2018年 6月 7日(木)14時39分39秒
返信・引用
       「100年の木の下で」  杉本 りえ著
    [うちのパワースポット]     千尋(12歳)
    律(りつ)ばあちゃんの家には、樹齢百年ほどの大きな栗の木と、それを背中にしたがえるようにして、小さな
   お地蔵さんがある。
   (律ばあちゃんは)「そっけないというか、サービス精神がないというか、べたべたとやさしくすることができな
   いよ」と母、さつきがいうとおり、たしかに千尋(ちひろ)は小さいころから、べたべたかわいがられた記憶は
   ない。たったひとりの孫むすめなのに。

   ひょっとすると、ここはわがやのパワースポット?千尋は心をこめて、お地蔵さんとお堂の中をぞうきんできれい
   にふき、小さなお皿にのせてかがみもちをそなえた。・・・・
   「あのお地蔵さん、どうしてうちにあるの?」千尋はにわかに興味がわいてきて、律ばあちゃんにたずねてみた。
   「こどもがたてつづけに死んだがやといね。だから供養にって」「えっ?」背筋がゾクッとした。
   「そんなのはじめてきいた」「男の子が生まれますようにって、願をかけたお地蔵さん」と母。
   ようするに、いずれの説も不確かで、ご利益はあったような、なかったような・・・というあいまいな話なのだ、
   ということだけはわかった。

   じつはすこし前まで、ひとりだけ親友になれそうだと思っていた友だちがいた。つまり千尋とは反対の協調性の
   あるタイプ、・・・・その子といっしょにいるのがいやになった。でも、ひとりぼっちもいやだから、今のところ
   は、なんとかがまんして、てきとうに歩調を合わせている。けど、ちっとも楽しくない。
   つまり、そういうわけだ。だから、もしお地蔵さんにお願いするとしたら、(本心でつきあえる、親友ができます
   ように)もしくは(ひとりでいても平気なくらい、強くなれますように)ということだ。

   そうか、このお地蔵さんは、立山に向かって立っているのか・・・・。見えていても見えていなくても、そこに
   あるはずの立山と対峙しているのだ。今あらためてそのことに気づいてみると、千尋はすごく納得できた。
   お地蔵さんはそうでなくては・・・・。

    *この家族のそれぞれの”わたし”は、お地蔵さんと一緒にかかわって生活が営まれていくんだ・・・・

http://   「死はこわくない」   立花 隆著

 

読書あれこれその259

 投稿者:蘇る青春  投稿日:2018年 6月 2日(土)17時21分39秒
返信・引用
            「ウドウロク」   有働 由美子著
    ○わき汗
     そして、実際に放送になったわき汗特集では、専門家が、「わき汗は他の汗とは違って、緊張したりストレス
     を感じたりするときに反応する汗腺からもでるので、言ってみれば、わき汗をかきやすい人というのは、気遣
     いできる優しい人だということが言えます」と、断言してくださったおかげで、番組内では、わき汗が微妙な
     がらも市民権を得ることになった。
     その後、日本中の女性から励ましのお手紙をもらった。
    ○一緒に住むの?
     小物の飾り棚として買ったボードには、いつのまにか和洋中の酒が並び、それと向かい合って座り、盃にちょ
     びちょびついでいろんなお酒をかわいがるのが、至福の時間だ。

     急に友達を、連れてきちゃいけなくて、  帰る時間を知らせなくちゃいけなくて、  酔ってすっ裸で
     寝ちゃいけなくて。

     共同生活が怖い。別居も寂しい。  結婚が怖い。でも、一生独身はちょっと。本当に、スイマセン・・・。
    ○あの大仕事
     そういえば、本番中こんなことがあった。司会者は舞台のそばを離れることができないので、舞台の通路に、
     布をカーテンにした、二人ほどしか入れないスペースで衣装の早替えをしていた。三分で着物から洋服に衣装
     替え!ともなると、衣装さんもメイクさんも鬼の形相で、私の髪や肉を引っ張りあげることになる。そんな
     着替え中に、谷村新司さんがあの温かいひょうひょうとした声で、「うどちゃんがんばってね」と布をめくって
     覗いていかれた。あのときは着替えることに集中していて「ありがとうございます」と普通に返したが、ふと
     我に返ると、Tバックの下着以外、一糸纏(まと)わぬ姿だった。
    ○いのっち
     ものや人を見る視点が優しくて、思いやりがある。正直で純粋で、自分の意見を的確に表現する言葉を持ち、
     それでいて、人の話を本当に深くきちんと聞き、とらえている。
     かといって優等生的な発言しかしないかというと、私の腹黒い発言にもつきあってくれる。
     みんなで飲みに行っても、まあとにかく、場を楽しくさせるいい酒を飲む。
    ○小心者シリーズ①お見合い編
     四十を過ぎた今なら、絶対に「イエス」だ。というか、その場で、やりとりを録音してたかもしれない。あと
     で撤回されないように。もしくは、そのまま役所へ直行だ。なのに、あのときは直感で、私はごめんなさい
     をしてしまった。家に帰ってからも、なぜそうしたのかわからずに、落ち込んだ。
     でも、「やっぱりOKです」と電話する気になれなかった。
     今思うに、私は、逃げたのだ。あまりに相手が素敵すぎて、自分では釣り合わないんじゃないかと。
    ○文庫版あとがき
     齢五十を前に、わざわざ不安定な方に舵(かじ)を取らなくても、との思いもよぎりました。考え抜いた末に
     、組織を離れる決断をしました。

     報告をしたら、ほとんどの人が反対。そりゃそうですよね。父は、「そうか、社会は甘くないから反対だが、
     結婚もしなかったんだから、一度くらい好きなようにしたらいいじゃない」と、よくわからない励ましをくれ
     ました。「ただ、一度決めたら後を見るなよ」と。この二十年で父から聞いた一番いい言葉でした。
     でもその言葉のあと、ずいぶんとうじうじと後ろを振り返りました。ごめんなさい、父。
     後押しをしたのは、母が亡くなる直前にそっとつぶやいた「由美子、人生なんてあっという間ね」という言葉
     と、誰よりも早く相談した、一番大切な仕事のパートナー、いのっちが「有働さんが決めたのなら、それが
     一番良い判断。応援します」と言ってくれた言葉です。

      *有働由美子
       紅白歌合戦の司会。2007年~’10年ニューヨーク特派員。’10年3月より
       「あさイチ」のキャスター。’18年3月、NHK退社。

http://   「死はこわくない」   立花 隆著

 

読書 あれこれ その258

 投稿者:蘇る青春  投稿日:2018年 5月29日(火)15時02分37秒
返信・引用
          「ライバル」  川上 健一著
    右端は清院高校女子ゴルフ部員十人が陣取り、一心に練習に励んでいる。打席側からの穏やかな春の夕日を
   浴び、ボールが放物線を描いて輝いて飛んでいく。いくつものボールがキラリと光って幻想的だ。
   「うわー、きれい・・・」多部井葉菜(はな)はドライバーショットの練習を止めて思わずつぶやく。・・・
   去年の全国中学選手権三位は伊達(だて)ではない。その前の年は六位入賞だった。高校生になった今年は
   全国高校選手権上位入賞を狙っているはずだ。でも絶対に優勝を目指していると葉菜は確信している。宇希恵(
   うきえ)=ウッキーは去年に比べて格段に進歩している。ショットの安定感が増したし、飛距離も伸びている。
   「違うの?だって県内の高校でウッキーのライバルといえば、吉野さんしかいないじゃない」「違う。ライバル
   はあんた」「あんた?」葉菜は苦笑する。いい間違えたのだろう。そんなはず、ある訳ない。
   「そう。あんた。葉菜」宇希恵はきっぱりという。「葉菜は強くなるよ。決まってるじゃない」「え?」
   どうして宇希恵はこうも自信たっぷりに決めつけるのだろう。宇希恵とはレベルが違うのに――。
   葉菜は言葉に詰まってうろたえる。「まじめだよ。本当にそう思うんだ。小学生の頃のあんたはまぶしかった。
   ゴルフが楽しくて仕方がないって感じで輝いていたもん。好きなようにゴルフをしていたからじゃないかな。私
   はすごくうらやましかった。私はスイングとセオリーにがんじがらめになっちゃてたもん。あんたみたいに自由
   にゴルフがしたいと思っても私にはできなかった」宇希恵にしては珍しく穏やかにいう。

   全国レベルの腕前で、思うがままのショットが打てる宇希恵がイップスになるなんて、葉菜には思いもつかない
   ことだった。びっくりだった。衝撃が全身を貫いた。葉菜は言葉を失って宇希恵を見つめる。
   「目標を決めないでただ打つだけならいいんだ。だけど、あそこに打つって目標を定めて集中すると、とたんに
   緊張しちゃって、トップでクラブが止まってしまって動かなくなっちゃう」

   「勉強よ、勉強。ウッキーのゴルフを勉強したいから、ウッキーが私のキャディーをすることをオーケーしたん
   だからね」葉菜はすましていう。宇希恵のラウンドの仕方を学べる絶好のチャンスだ。
   宇希恵の元気な顔が葉菜はうれしい。アウトの9ホールは宇希恵のゴルフを学ぶことができた。インの9ホール
   は宇希恵のためにラウンドする。たとえスコアが悪くなってもかまわない。宇希恵がイップスを克服するきっかけ
   をつかめるかもしれないのだ。
   「私もイップス克服のための本をいろいろ読んだんだ。だけどなるほどっていうものは見つけられなかった。・・
   ・・私のスタイルは一打一打に完璧を求めるゴルフ。それが原因でプレッシャーがかかってイップスになったと
   思うけど、でもそれが私なんだからオーケーなんだよ。・・・・」

   「葉菜は練習すればもっともっと上手くなるよ。だけどいまは一打に集中だよ。それだけでいまの葉菜でも74、
   75のスコアは出るよ。明日はどんなショットやパットでも、一打に集中だよ」・・・・
   「前の時はなるほどと思ったけど、フーンって感じであまり深く考えなかった。だけどあんたのもの凄い集中の
   ショットとかパットを目の前で見たら、いま、なんだか凄く強烈にピンときたんだ。ミスショットをしても次が
   あるっていう言葉。アドレスした時、次があるもんねっていい聞かせたら本当に気分が楽になって、もしかした
   ら」「イップスが出ないかもしれない!」葉菜は宇希恵がいおうとしている言葉をくみ取って勇んでいう。

   「信じらんなああああい!やったあ!ちゃんと打てたああああああ!」宇希恵は何度もジャンプして喜びを爆発
   させる。無理もない。悩みに悩み抜いた末にやっとイップスから解放されたのだ。

   二人はにらみ合う。ゴルフ仲間で恋敵仲間。不敵に笑い合う。負けないからねと目がいっている。
   「ゴルフでも恋でもライバルだね、あんたと私は」と宇希恵がいう。「だね。最強のライバル」葉菜がうなずく。
   「ちょっと変なライバルだけどね」「最強のゴルフライバルで変な恋のライバル。長いね」

http://   「死はこわくない」   立花 隆著

 

読書 あれこれ その257

 投稿者:蘇る青春  投稿日:2018年 5月19日(土)16時41分33秒
返信・引用
        「追想の探偵」  月村 了衛著
   はじめに
    編集者・神部実花、特技は人探し。消息不明の大物映画人を捜し出し、不可能と思われたインタビューを
    成功させようと奔走するが、・・・・(コマーシャル文より)
    六編のうち一編[真贋鑑定人]を紹介する
   [真贋鑑定人]
     実際に、ブルークラウド1号のミニチュアを手にした海野は、長年離れ離れになっていた旧友と再会したよう
    な、この上なく親しげな笑みをみせている。「神部(実花)さん、これは間違いなく本物ですよ」黎砦社(れい
      さいしゃ)の会議室で、海野友彦は力強く言い切った。
    <ブルークラウド1号>とは、七十九年に放映されていた特撮番組『蒼の使者ブルーナイツ』に登場する未来
    戦闘機で、同作で活躍した数々の超兵器の中でも、特に人気の高いメカである。撮影に使われた小道具はすべて
    廃棄されたものと思われていたのだが、このブルークラウド1号だけが奇跡的に発見されたのであった。

    特撮業界に質の悪いコレクターが多いことは厳然たる事実である。そのため、悪意の有無にかかわらず、多くの
    偽物が氾濫することになる。実花は海野に尋ねたことがある――「プロップの真贋を見極める秘訣はなんですか」
    と。すると海野はすぐに教えてくれた。
    「一番は、なんと言ってもその作品が持ってる<空気>です」 予想された答えが返ってきた。

    「このマスク(レディ・ミラージュ)、しばらく預からせて頂けませんか。然るべき専門家に依頼して必ず本物
    かどうか明らかにしてみせます」「でも、鑑定料とかが必要になってくるんじゃありませんか」
    「ご心配なく。私が、いえ弊社が責任を持って無料でやらせて頂きます。預かり証もお渡しします。その代り、
    もし本物だった場合、この件に関する一部始終を弊誌で記事にさせて下さい。」
    束の間考えを巡らせていた南山は、実花の申し出に同意してくれた。「分かりました。すべてお任せします」

    「でも、これの真贋がはっきりしないことには、記事にもできないんですよね」「はい、本当に困ってまして」
    「分かりました。マスクをお預かりしましょう。できるだけのことをやってみます」「本当ですか」
    「当時のデータを集めるだけ集めて照合しますから、少し時間がかかりますよ。それでも構いませんか」
    「雑誌ですから、無制限にというわけにはいきませんが、ぎりぎりまで待てるような態勢で臨みます。どうか
    よろしくお願いします」一縷(る)の望みを託す思いで、実花は深々と頭を下げた。・・・・・
    五日あまり過ぎた頃、海野から連絡があった。勇んで駆けつけた実花に、海野は無常に告げた。
    「これはレプリカです」はかない望みは、いとも呆気なく断たれてしまった。

    「問題は、海野さんがどうしてマスクをすり替えるような真似をしたかです」声がかすれる。胸が痛い。
    「善悪や常識をわきまえないようなコレクターでもないし、ましてやお金のためでもない。海野さんがそんな
    ことをした理由。それは――そこに映っている人です」
    実花はまっすぐにスクリーンを指差した。
    「当時、(汐原由紀には交際している男性がいる)という噂がありました。それ以上の報道は出ませんでしたが、
    噂は本当だった。汐原由紀の恋人は、海野さん、あなただったんですね」・・・・・
    「・・・・・でも、あのときは<汐原さん>ではなく<由紀ちゃん>でした。それだけならいくらでも言いわけ
    はできます。実はファンだったとかなんとか。でももう一つ――『僕はミライザーの現場には関わってないし
    ね』。あの頃は『海野のいない現場はない』とまで言われていたそうじゃないですか。・・・それで訊いて回っ
    たら、いましたよ、当時ミライザーの現場で海野さんを見かけた人が。わざわざそんなことを言わなければよか
    ったのに、つい言ってしまったのは、レディ・ミラージュのマスクを最初に見た瞬間に、自分の持っているレプ
    リカとすり替える決意を固めていたからでしょう。・・・・・」
    海野が感嘆したように、「神部さん、あなたは凄い。僕が思っていた以上の人だ」「やめて下さい」
    強い口調で言うと、海野は恥じたようにうなだれ、再びスクリーンに向き直った。・・・・・

http://   「死はこわくない」   立花 隆著

 

読書 あれこれ その256

 投稿者:蘇る青春  投稿日:2018年 5月 9日(水)09時14分56秒
返信・引用
         「黒涙」  月村 了衛著
    噂には聞いていたが、極秘とされる公安の分室――今回は別室と呼称されている――に踏み入るのは沢渡も
   初めてである。
   滝口は日中秘密協議の席上で中国商務部アジア司長補佐が機密漏洩をほのめかせたことを端緒として、専任の
   特別捜査チームが編成されるに至った経緯について明かした。・・・・・
   警察官でありながら、沢渡はある黒社会の男と兄弟分の契りを交わしている。そのきっかけとなった事件に
   大きく関わっていたのが他ならぬ天老会であった。つまり天老会は、沢渡にとって因縁の宿敵とも言える相手
   なのだ。もっとも向こうは、黒色分子の存在など知るはずもないのだが。
   これまで沢渡は、警察内部にいながら義水盟のために動く<黒色分子>として、腐敗した警察官や、警察組織
   と癒着した暴力団、それに天老会をはじめとする中国人犯罪組織に大打撃を与えてきた。
   当然のことだが、公安と組対では捜査方法がまったく異なる。同じ警察とは思えないくらいの隔たりがあると
   言っていい。広川と組んで捜査に当たった沢渡は、まさに蒙を啓(ひら)かれる思いであった。

   沢渡の問いに、沈が頷く。「だいぶつながってきたじゃねえか、俺達のターゲットが。後はこの、王と劉の宝石
   連誼会、莫の天老会ラインと、議員周辺との接点を見つけりゃいいってことだな」「そういうことだ」

   広川から聞いた話だと、ハニートラップに使われる女は通常では組織の末端に近く、重要な機密については知ら
   されていないことが多いという。なのに、ラウタンとシンシアの<勝負>が、中国諜報機関の摘発につながると
   いうのはどういうことか。

   「・・・いやあ、よくやってくれた。これで解決までのスジが見えたも同然だ」
   「では、今日の捜査会議で――」勢い込む沢渡に、滝口は冷静な口調で告げた。「いや、それはもう少し先の方
   がいいだろう」「と、申しますと」「俺が一番怖れていることが何か分かるか」
   真剣に問い返されて、沢渡はとまどった。「漏洩・・・ですか」「その通りだ」
   自らが選び抜いた特命チームですら、滝口は全面的に信じているわけでないというのか。

   確かにラウタンの言う通り、シンシアからスパイ網の全容を聞き出せれば、今回の作戦は有効になるどころか
   勝ったも同然だ。

   前置きを省いて、滝口が作戦の説明に入った。「・・・その密談の場で、賄賂の件が持ち出される可能性が高い。
   ラウタン氏にその機を逃さず、彼らの会話を密かに録音してもらう。・・・」

   指紋照会の結果、死体はインドネシア国籍の実業家ラウタン氏のものと判明。知らせを受けて現場に駆けつけた
   滝口らは、その酷(むご)たらしい死にざまに息を呑んだ。
   何があっても毅然としていた滝口の全身が、小刻みに震えている。特別チームの捜査員が初めて見る滝口の打ち
   ひしがれた姿であった。

   相棒の広川からだった。「なんなんです、こんな朝っぱらから」枕元の目覚まし時計をつかみながら応答する。
   <大変ですよ、沢渡さん>「だから何が大変なんですか」<滝口さんが亡くなったんですよ>
   <だからっ!滝口さんが自殺したんですってば!>

   作戦の主導的役割を果たしたのが天老会なのか中国の情報機関なのか、判然としなかったのだが、いずれにしても
   莫は姿を隠すことによって自らの関与を明らかにしたようなものだ。おそらくはシンシアとともに、中国が逃亡
   ルートを用意してくれるのを待ってどこかに身を潜めているのだろう。

   どす黒い顔の男が、意味不明の咆哮を上げ、グロック17を撃ちまくりながら歩いてくる。莫だ。どう見ても正気
   ではない。「馬鹿か」そう呟いて、壁際からレミトンの狙いをつける江に、沈は慌てて声をかけた。
   「待ってくれ。奴だけは簡単に楽にしてやるわけにはいかない」江はすぐに察してくれたようだった。レミントン
   M870の銃口を下げ、莫の右足首を12ゲージの散弾で粉砕する。・・・・・

   着信日は、ラウタンが神楽坂の高級料亭『明神苑』での録音に成功した日。時刻は、自分達がラウタンを護衛して
   麹町のダイヤモンドホテルに入り、しばらく経った頃。ボタンを押して送信者のアドレスを調べる。
   沢渡は声を失う。広川のものだった。さらに、ある日付のメールを確認する。
   [完了]  それは、滝口が自殺したとされる日のものだった。時間も合致する。<完了>とは、滝口の殺害が終わっ
   たことの報告だ。・・・・・

http://   「死はこわくない」   立花 隆著

 

読書 あれこれ その255

 投稿者:蘇る青春  投稿日:2018年 5月 7日(月)11時00分43秒
返信・引用
        「あの人が同窓会に来ない理由」  はらだ みずき著
    その手のことが(藤本)宏樹は昔から苦手だった。小中高とクラス役員になったことはない。なり手のいない
   書記に推されたときは、頑なに拒んだ。組織のリーダーになることや、だれかのために無償で奉仕するような
   行為は、言ってみれば極力避けて生きてきた。

   斎藤さんの声のトーンが低くなった。「たしかにクラスの中心人物だった田代君や磯崎君や塩野さんは来ていな
   い。でもさ、ほかにもいるよね。いたことさえ、忘れているような人が。・・・・・」

   湯島(葵)は、日頃から無視されたり、陰でいい加減なことを言われ続け、困らせてやろうと思い、嘘をついた
   と説明した。そのときの湯島の表情は、追い詰められた者とは思えないくらい穏やかで、瞳はしっかりと見開か
   れていた。

   「悪い遊び?」「ああ、ギャンブルだとさ。詳しくは聞かなかったけど、よく言うだろう、酒と女とギャンブル、
   三つとも手を出すと身の破滅だって」「あの磯崎が?」「おれも最初は信じられなかった。あいつは野球バカって
   感じでもなかったからな。実際、中学時代は勉強の成績も悪くなかった。教師にも気に入られたろ」「だよな・・」

   中学時代、クラスの中心だった三人は、それぞれの立場で活躍し、よく目立っていた。学級委員長の田代、それを
   支える副委員長の塩野、野球部キャプテンで女子に絶大な人気を誇っていた磯崎。今考えれば、幼なじみだった
   せいもあってか、彼らは仲がよかったように見えた。それに自分のような地味な存在からは、三人それぞれが、
   ある意味まぶしく映った。

   斎藤さんから頼まれ、田代、そして塩野と話をする機会を持つには持ったが、同窓会参加の返事を取り付けるまで
   には至らなかった。田代は、塩野のことをやたら気にかけていた。その塩野は、田代を煙たがっていた。そして以外
   にも、湯島葵が来ることをいわば同窓会参加の条件とした。

   宏樹は受話器を握ったまま黙っていた。「信じられない話だろ?」田代の声がした。
   「だろうな。あいつ(磯崎)は、言ってみれば、みんなの憧れだったから」「金を貸したのは、いつ頃?」
   「就職して三年目くらいかな」「じゃあ、二回目の同窓会の頃とか?」「ああ、そうだ。あいつも来るはずだった」
   「貸したって、いくらぐらい?」「大した額じゃない。三十万とか」「大金じゃないか」

   湯島葵は少し間を置いてから口を開いた。「私はこう考えたの。きっとこの男は、ここでうまく罪を逃れることで、
   将来、大きな過ちを犯すだろうって。そのときは、より大きな罰を受けるはずだって。自分の母親を見ていて、そう
   感じていたから」  「その男って――」
   宏樹が言いかけたとき、湯島葵が遮るように話を続けた。
   「私ね、こういう仕事に就きたいとは、正直思ってなかった、母と二人暮らしの中学生の頃は。だから勉強もした
   し、偏差値の高い高校に入学した。でも大学に入ってすぐ、母が男を作って逃げてしまった。それで学費を稼ぐた
   めに、学生時代から水商売のバイトを始めたの。母は、私抜きで人生を楽しみたかったみたい。・・・・・」

http://   「死はこわくない」   立花 隆著

 

キノコ

 投稿者:URANCHAN  投稿日:2018年 4月25日(水)22時57分56秒
返信・引用
  今朝のウランちゃんちの庭ですが、
何と、添付写真のように一面にキノコが・・・
狭い庭ですから、何か変化があれば気になるんですが
確か、昨日は生えていなかったけど、一夜にしてこんなに・・・
昨日の前線通過で和歌山市内はまとまった雨が降ったようです。

カーヤンの記事につられて、似たような季節変化だと思ったから
アップしました。
 

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